備忘録 2012.08.21
SEOはどう変わった?
私は数年前に2か月という短い期間ではありましたが、WEBサイトのSEOチューニングという仕事をしていました。
まず検索の上位表示を狙うためのキーワードを選定し、<title>、<meta>、<h1>、<h2>、alt=、ページ内文章に目標キーワードをちりばめ、一見関係ありそうでよく見ると無くてもいいような話題を盛り込んで無理やり文字数を増やし、無理やりページ数を増やし、クライアントには文章を一切触らせず、被リンク数、つまりはPage Rankを上げてくれるリンク集サイトに登録する。そして、検索エンジンのアルゴリズムが変わるたびに順位が変動し右往左往する日々。
今を思えばまったくもって不毛でした。あるとき気づいたんです。検索エンジンは、そんな施策をしなくても内容や情報的にキーワードにベストマッチするサイトを上位表示してくれるのだと。大事なことは、キチンと中身のあるページを作ること、その中身を最も的確に表す<title>をつけること。さらにユーザーにとってアクセスしやすいリンク構造であること。このようなページをたくさん用意すること。これらの施策こそが検索エンジン、とりわけgoogleの思想に沿ったサイト作りなのです。
ということで、私はSEOを気にすることなくサイト制作をするようになったんですが、たまに聞かれるんです。
「メタのキーワードは何を入れたらいいんでしょうか?」「文字数は何文字必要ですか?」
かつてのSEO手法は現在どのように変化しているのでしょうか、調査してみました。
・Page Rank
ご存じgoogleで利用されている指標の一つで、他のサイトから張られるリンク数が多ければ多いほどPage Rankは高くなるようになっています。かつてはPage Rankが高いほど表示順位が高いというのが常識でしたが、最近では必ずしもそうではないようでPage Rankを上げるだけでは表示順位は上がらなくなっています。Page Rankを上げるために意図的に数百や数千のサイトからリンクを集めることを外部SEOといい、SEO業者にとっては順位を上げるための常套手段でしたが、やりすぎるとスパム行為と認定され削除されることもあります。
また、googleのウェブマスターツールからページランク表示がなくなっています。これはPage Rankばかりを気にして良質なサイト作りを疎かにするなというメッセージなのです。
・1ページ400文字
数年前は1ページ400文字以上必要だといわれていました。400文字といえば、400字詰め原稿用紙と同じ文字数です。サイト作りは作文の宿題ではありません。ユーザーに伝えたいこと、必要な情報を必要なだけ書けばよいのです。実際に米国版のGoogle Webmaster向け公式ヘルプフォーラムで回答されています。検索エンジンは文字数の多い少ないで順位を決めているのではなく、検索キーワードに対してベストマッチなサイトか否かを判断しているのです。
・メタkeyword
ウェブマスターツールのガイドライン中に「メタタグ」という項目があり、見てみるとメタタグの記述例が示されているのですが、その中になんと”keyword”がないのです。もはや”keyword”を羅列しても無意味ということでしょう。これではお守り代わりにしかなりません。
そのかわりにガイドラインでは”description”と<title>のキーワードを含めた適切な記述を勧めています。それでもキーワードを詰め込みすぎるのはNGです。
・キーワード出現率
数年前3%や5%といわれていたキーワード出現率。これも1ページの文字数と同様に意味のないSEO手法となっています。ページの随所にキーワードを詰め込むとユーザーを混乱させ利用しにくサイトになりますので、文中に必要なだけ入れるように気をつけないといけません。重要なのはキーワードの存在ではなく、そのサイトがユーザーにとって有益かどうかということです。